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SUBARUの素敵に腐りきった日常をつらつらと……
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 この記事は、Orange ChocolatにUPした「鏡の中のナルシス」の補足になります。





 この話を書くきっかけになったのは、スイセンという花の花言葉と英名です。

 スイセンという花の英名「Narcissus」の由来として、あるギリシャ神話の物語があります。

 諸説あるようですが……若さと美しさを兼ね備えていたナルキッソス(ナルシッソス)は、男にも女にも愛された。けれど、ナルキッソスは想いに応えることはなく、それを知ったある女神が、「自分しか愛せないように」してしまう。

 水辺に自分の姿を見たナルキッソスは、恋に落ち片時も離れることができなくなってしまう。そうして、ナルキッソスはやせ細って死んでしまう。

 ナルキッソスが死んだ後、そこにはまるで水辺を見つめるように一輪の花が咲いていた。それはナルキッソスの化身であるスイセン(ナルキッソス)だった。

 というナルシストの語源にもなった、SUBARUのツボを突くようなちょっとアホで可愛いやつのお話があるんです(いや、皮肉といえば皮肉ですけどね)

 そのスイセンの花言葉は、ナルキッソスが由来していることもあり「自己愛」や「うぬぼれ」と言ったものがあるんですが……中でも、「もう一度愛して欲しい」「報われぬ恋」という花言葉から、一気に話が出来上がりました。

 で、今回の話で登場させた双子は、鏡映しであり、死と生と……そういう意味合いからも、ふたご座のディオスクロイからもアイデアをもらってます。これも、ギリシャ神話。こちらも諸説ありますが……

 ある日、レダに恋したゼウスは、白鳥に姿を変え誘惑し、彼女は卵を産み落とします。彼女の夫は人間で、卵の中からはゼウスの血を引いた神の子・ポルックス(不死)と、夫である人の血を引いた子・カストルの双子が生まれた(もしくはゼウスの血を引く者と、レダの血を引く者)。

 それゆえ、人の子であるカストルには寿命があり、いつか死んでしまう。そのことを嘆いたポルックスは、ゼウスに頼み込んで自分の不死の命をカストルと分け合えるようにしてもらう。

 その後、二人は一日おきに天界と冥界を行き来することになる(もしくは、ゼウスに一緒に死にたい、と願い出た。その絆に感動したゼウスが二人を星に変えた)。

 というお話があります。まさに、兄弟愛!!!! ですね(笑)Winchester兄弟にも通じるものがある気がして、即刻融合させました。

 なので、今回のお話は二つのギリシャ神話からアイデアを得て書いてあります。

 ので、ちょっとわかりにくい部分もあるかと思います(汗)まぁ、いろいろと面白いギリシャ神話ですので、これを機会に触れてみるのも一興かもです。

 SUBARU的にギリシャ神話は笑えてくるので好きです(えっと、真剣にギリシャ神話を愛している方ごめんなさい。でも、ゼウスの暴挙ぶりには笑わずにいられないのです)。

 今回の話を書くにあたって、個人的にはとても深い意味をこめたつもりではあるんですけど(笑)まぁ、そこは読み取らずに楽しんでもらえるかな、と。さっくり楽しんでもらえると嬉しいな、と思いつつ蛇足だとは思ったのですが、こういう形で記事を上げさせていただきました。

 とりあえず、今回のお話は(も?)兄弟が戦って退治した!!! っていうアクション部分がなくて、個人的にがっかりです。

 次こそは、兄弟の活躍によって事件解決させたいです(希望)

 そうですそうです。ディーンのセリフに使わせてもらいましたが……スイセンには毒性があるらしいです。食中毒症状と、皮膚炎症状を起すのだとか……死んだ例もあるらしいですので、口に含まないようにお気をつけください……って、食べようとする人はあまりいないか(笑)

 あと、鏡について。

 知っている方も多いかと思いますが、知らない方のために。

 西洋において、鏡は「魂を映す」と考えることがあるようです。なので、鏡が割れると以後9年(7年だったかな??)不幸が続いてしまう。それは、鏡が割れることでそこに映し出されていた自分の魂を傷つけてしまうから、ということらしいです。

 そうしたことに関連した風習というか、ジンクス的なことはたくさんあるんですが……その中の一つに「人(近しい人)が死んだ場合、部屋中の鏡を(黒い)布で覆う」というものがあります。これは、鏡の中に死者の魂が映り、生きている人間を道連れにしてしまうから、という理由からだそうです。

 日本でも、友引には通夜を行わない、という理由と同じですね。死者は寂しがる、というのは共通しているようでその辺りは面白いな、って思うんですけど……

 とにかく、今回鏡に死者が生きていたのも、カイルが鏡を覆っていたのも、そういう西洋の風習を引用したからです。

 あと、本当に蛇足ではありますが……興味がある方は、ペイジの話をどうぞ。話の流れが悪くなるので避けたのですが、サムが反面教師として捕らえたペイジはこういう人だったんだ、と。

 一応言っておきますが、決して明るい話とは言えないものです。




 






 生まれて最初に見たのは、僕の半身。僕のすべては彼のためにあるんだ、とわけもなくそう思った。

『ペイジ』

 カイルが僕の名前を呼ぶたびに、幸せを感じた。

 顔も、声も、想いも同じ。二人でいることが当たり前で、二人でいられなければ死ぬのも同然だった。

 それなのに、カイルはよく僕の傍から離れた。父親に連れられて、何度も何度も僕とは別の場所に出かけていく。父親に手を握られて連れて行かれるカイルは、いつも不安そうな顔で僕を振り返っていた。

 それがとても、悔しかった。

 僕から離れたくない、と哀しそうな目で訴えるカイルを救ってやれない自分が。いつか、カイルは僕を嫌ってしまうんじゃないか、と不安になった。

『カイル、水仙を植えよう。黄色いのがいい。たくさん植えよう』

 ナルキッソスが水辺で己を見つめながら死んだ後、彼は水仙になった。それでもまだ湖を見ていたのは、きっと愛して欲しかったからだ。たった一人、鏡写しの「彼」に恋したナルキッソス。

 でも、僕たちは違う。僕たちは二人いる。でも……

『ずっと一緒にいよう』

『もちろんだよ。離れないでね』

 どこにも行きたくない。二人だけでいい。それなのに、カイルは頻繁に出かけていくようになって……いつか離れていってしまいそうで。ずっと傍にいて欲しくて、繋ぎとめておきたくて……

『ペイジ?』

『一つになりたい』

 二人じゃなくて、一つになりたかった。だから、カイルを抱いた。だって、カイルは僕の半分なんだ。だからきっと、一つに戻れると思った。一つになるのは単純に気持ちが良かった。その時だけは、カイルは僕のものだと感じられたから。

 これでもう、カイルを失わなくていいんだ、って思えた。

『やはり、あの時殺しておくべきだった……お前が私のカイルを……ッ』

 殺されて初めて知った。僕は生きているようで生きていなかったんだ、って。父にとって、息子はカイルだけだった。僕はずっと、カイルの「影」だったんだ、って。カイルと僕は、随分と前から一つだったんだ、って。

 気がつくと鏡の中にいて、泣いているカイルを父親が抱きしめて慰めていた。

 許せないよ。カイルと僕は一つなのに。カイルは僕ではない人に触れている。

 だから、奪った。

 カイルの世界は僕だけでいい。鏡の中にいる僕と、ずっと一緒にいよう。

 だからどうか、僕から光を奪わないで。

 黒い布で覆って、僕を闇に葬らないで。

 目の前で、綺麗に咲いた黄色い水仙の花が揺れている。

 カイル……僕に光をくれる人。

 いつか君が死んで、鏡の中で一緒になれるまでは……君の手で僕に光を与えて欲しい。

 光の中に住む人。君の星のような輝きを、いつか僕がこの闇の中で守ってみせるよ。

 永遠に……






 

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